雪形が告げる春ー中央アルプス駒ヶ岳
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「雪形(ゆきがた)」って何だか知っていますか? 毎年春になり山の雪が溶けてくると、山腹に現れる模様のこと。雪の白と、山の地肌の黒とが織りなす、季節の便りです。 中央アルプスは雪形の宝庫。4月中旬になるとロープウエーで有名な千丈敷の南側に、髪を島田に結った娘の像=「島田娘」が現れます。駒ヶ根市東伊那あたりから見ると、その形は鮮やか。雪形の中には名前を聞いてもイメージが沸かないものが多くありますが、「島田娘」は言われてみれば納得できる形です。 5月になると「島田娘」のすぐ左側に手を左横に構えて「伊那節を踊る娘」も姿を現します。地域によっては「種を播く爺さん」とも呼ばれます。 一方、伊那市富県のあたりからは、駒ケ岳中岳からの斜面に「親子駒」が浮かび上がります。「駒ケ岳」という名称のもとになった雪形です。 雪形は「あれが出たら田おこしを始める」「これが出たら種を播く」―というように、昔から農作業の目安となってきました。でも、そうなるまでには、気が遠くなるような長い年月にわたって、数え切れないほど多くの人々が、農作業をしながら、繰り返し山を眺めてきた歴史があったのでしょうね。 最初に山肌に「島田娘」とか「踊る娘」などを見つけた人は、いったいどういう人だったのでしょう。ちょうど自分の娘さんが嫁ぐ時期だったのかも知れません。田畑の仕事に汗を流しながら、「そろそろお祭りだなぁ」と思っていたのかもしれません。 自然に親しみ、一生懸命に働くことが、人々の想像力を豊かにするのでし ょうね。
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