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弁護士 長谷川洋二先生 ファイナンシャルプランナー 石川達明先生 (株)レントライフ 会長淺川透
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写真 弁護士
長谷川 洋二 先生
京都市出身。現在伊那市にて長谷川法律事務所を開業。主に南信地区の自治体や大手企業の顧問弁護士をつとめる。不動産関係の係争も数多く担当。
【法律の門(土地活用によくあるトラブル)】
第4回 建設紛争と医療紛争はむつかしい
第3回 土地を貸すと取られてしまう?
第2回 紛争回避のための予防法学
第1回 いい人だと思っていたのに…。
 
第4回 建設紛争と医療紛争はむつかしい (レントライフ便りvol.4より)
一、法律家の中では、むつかしい紛争としてあげられるのが、建設と医療の紛争です。
 この紛争については、東京の裁判所では、これのみを審理する専門の法廷を設置しようという動きもあるほどです。

二、では、なぜ、むつかしいのでしょうか?
 いずれも、たとえば、貸した金を返せとか、買った土地を引き渡せとか相続財産の分割というような、日常的に我々が体験することにより、素人が素人なりに判断できる事件ではなく、建設とか医学とかの専門知識がなくては、さっぱり訳が分からないような特殊な紛争だからです。
 お金を借りたり、遺産分割などは、弁護士も裁判官も体験することですから、専門的な知識がなくとも理解できます。
 しかし、建設や医療の場合は、専門的知識がないと理解できません。

三、従って、これらの紛争の場合には、それぞれの主張が正しいかどうかを、建設なら建築設計士や工学部の教授を、医療なら、医師や医学部の教授を鑑定人として、鑑定させてその意見をもとにして、裁判官が判決を書くことになります。

四、まあ、法律家にとっても、それだけむつかしいということですよね。
 だから、家やマンションを建てる皆様方も、建設についてより深く勉強して、専門知識を深めるということが必要です。
 しかし、いくら専門知識を学んでも、品質の悪い建設会社に委託すると、どうにもなりませんから、まずは品質の良い建設会社を見抜く目を養うことが大切でしょうね。
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第3回 土地を貸すと取られてしまう? (レントライフ便りvol.3より)
イラスト一、よく「土地を貸すと取られてしまう」という話を聞きますが、本当にそうなのでしょうか? 実は本当です。借地については戦後、借地法が制定されて地主が一方的に不利な立場に追いやられました。これは占領軍が太平洋戦争の原因に軍部と結びついた地主層があったと考え、地主のパワーをそぐことを狙ったのです。

二、しかし、地主の力を弱めすぎたので貸すと取られてしまうということになり、貸す地主が少なくなり土地の有効活用ができないということで、平成8年に借地法の大改正をして地主に有利な借地の種類を増やしたので、方法によっては貸すと取られることにはなりません。

三、では、貸すとどうなるのか?
 まず、賃貸借期間を定めても当然に30年となります。これより短い契約は認められません。長いのは有効です。また、期間が満了になっても地主によほどの正当事由がない限り、契約の更新を拒否できません。
 それから契約が終了した時、借主は地主に建物を時価で買い取れと請求でき、地主はイヤとは言えないのです。地主は欲しくもない建物を買い取ることになるわけですから、とんでもなく不利なのです(建物買取請求権)

四、このように土地を貸すと、期間は自動的に30年になるし、期間が満了しても更新されるし、契約が終了しても建物を買取る義務がある等と、地主には不利なことばかりです。

五、そこで、新しい借地法は、定期借地権と事業用借地権という新メニューを用意しました。いずれも契約期間満了で土地が返ってくる借地権で建物の買取義務もありません。
 但し、定期借地権は50年以上の期間で、事業借地権は10年から20年までの期間とされています。これらの契約は公証人役場で作成することとされています。

六、最後に借地法が適用されるのは借主が建物を建てる場合でして、駐車場や木材置場として貸す場合は借地法は適用されません。
 この場合は地主の力は健在で、期間が満了すれば当然に土地の返還を求める強い権利が生きています。東京あたりで更地を駐車場とするケースが多いのは、借地法が適用されず土地を返してもらいやすいからなのです。
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第2回 紛争回避のための予防法学 (レントライフ便りvol.2より)
一、マンション経営でよくもめるのが退去時の原状回復義務と敷金・保証金の返還です。(ちなみに敷金と保証金は借主に返すという意味では同じ性質の預かり金です)
 オーナーは借主から部屋のクロスや畳の張替え、クリーニングまでしてキレイにしてもらうのが原状回復義務であり、その分の費用は保証金等から控除すると考えます。
 他方、借主は家賃を払ってマンションを使用しているから、壁や畳が汚れるのは当然だ、その分は賃料に含まれていると考えています。
 両社の利害は常に敵対しているのです。
二、法律ではどう定めているのでしょう?
 原状回復という用語はありますが具体的な中身、つまり、どこまでやれば現状に回復したことになるのかは何もきめていないです。
 中身は当事者で決めなさい!いうのが法律の態度です。
三、となると、入居の際に締結する賃貸借契約書で現状回復の中身をこと細かく決めておくことが大切です。
 当事者で決めた内容が具体的な原状回復の中身となるからです。クロスや畳の張替え、室内のクリーニング等をしっかり明記し、これに要する費用は敷金・保証金から控除し、不足があれば別途請求しますと取り決めておけばいいのです。
四、このように、紛争を回避する為に事前に対応することを予防法学といいます。

 しかし、現状回復義務の内容に、例えば、便器の取替えとか、ベランダのペンキの塗り替え等を取り決めた場合には、そこまで要求するのは貸主としての権利の濫用であり、家賃をとって貸している以上、マンションや室内設備の経年変化に伴う当然の汚れや傷みは貸主が負担するべきであるという判例も出ておりますから、契約書で何でも決めればオーケーというわけにはいかないですので、要注意です。

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第1回 いい人だと思っていたのに…。 (レントライフ便りvol.1より)

 建設工事のトラブルで意外と多いのが、増工事代金のトラブルです。例えば、サンデッキを追加したなどの大掛かりな増工の場合は、施主や業者も詳細な打ち合わせをして、増工の見積書を双方で確認しますから、完成後に代金をめぐるトラブルはおきません。
 しかし、ドアの取手を変更したとか、サッシを二重サッシに変更したとか、子供部屋に仕切りの壁を作ったとかの小さな増工事の場合は、工事現場で、奥様方がご主人に相談することもなく、現場監督との話し合いの中で、金額もつめないまま決めてしまうことが多いのが現実です。その為、工事完成後に業者から増工代金を請求されて、トラブルに発展するケースが多いのです。
 特にサービスでやってくれたと思っていたのに代金を請求されると、今までは信用していた建設会社がそのときから、何やら怪しげな業者に見えてくるから不思議です。また、誰でも、マイホームやマイマンションを建てる場合は、予算をオーバーすることが多いので、その上に予定外の増工事代金を支払うのは大変です。
 そのようなトラブルを避ける唯一の方法は、現場でもどこでも、当初の見積にない工事を発注するときには、業者側と書面で金額を確認し、その書面を保管しておくことです。
 特に、サッシを二重サッシに変更したような場合は、もとのサッシ代を減額してもらってあるか等の点もしっかり書面で確認する必要があります。
 そして、業者と双方で増工事の内容と金額を確認できれば、その書面に双方がサインしておくことです。これで完璧です。
 ですから、現場で増工の注文をした時に書面で確認してくれるかどうかが、キチンとした業者かどうか見分けるポイントになるかもしれません。

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