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写真 熊谷司法書士事務所所長
司法書士 熊谷 健 先生
伊那市で昭和59年司法書士開業。主な業務は、不動産登記、会社・法人登記等の申請代理、訴状・答弁書など裁判所提出種類作成、簡易裁判所における訴訟代理など。昨今の不況に伴う消費者破産など多重債務整理も手掛ける。特に、業務歴20年に及ぶ経験を生かし、不動産に関する法律(相続・契約・登記・権利設定)について、広く市民の方や企業からの相談に対応している。
【街の法律屋さんのお話】
第4回 消費者契約の実態 「狙われる個人情報」
第3回 消費者契約の実態 「振り込め詐欺対処法」
第2回 消費者契約の実態 「悪質リフォーム対処法」
第1回 消費者契約の実態 「消費者被害の構図」
 

第4回 消費者契約の実態「狙われる個人情報」
(レントライフ便りvol.9より)
 皆さんは、商品先物取引やマンション購入などの勧誘の電話を受けたことはありませんか。そして、そんな経験のある方は、どうして自分の所に勧誘電話が来たのだろうと疑ってみたことはありませんか。
 悪質商法の裏には、個人情報の売買が頻繁に行われています。従来は「卒業生名簿」などの学校リストが主流でしたが、携帯電話の普及によりリストも大きく変化しました。ビデオレンタル会員情報、携帯購入者リスト、消費者金融顧客リスト、雑誌懸賞応募リスト、下着購入者リストなど様々あり個人情報が簡単に流失しています。例えば、下着購入者リストには購入者女性の3サイズまで載っているというのですから驚きです。こういった貴方の個人情報が5円から20円位で取引されている実態があるそうです。自分の個人情報が知らないうちに他人に知られていると思うだけで気味の悪い話ですね。
 それでは、どうやって自分の個人情報を守ったらよいか?
 昨年4月から「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が全面施行され、個人情報取扱業者に対して、個人情報を適正に取得しなければならない義務、情報の使用目的を特定し、第三者への提供についてはあらかじめ個人から同意を得なければならないなど様々な義務を課しました。しかし、この法律の施行後も、銀行・消費者金融・携帯電話業者・インターネット接続業者などから個人情報の流失が報道されています。
 この法律が充分機能するためには、もう少し時間を要すると思われます。結局のところ、自分の個人情報を安易に他人に知らせないという基本姿勢をもって対応すること。提供しなければならないときは、業者に対し使用目的等を明確にさせること。
 ところで、冒頭のしつこい勧誘電話の撃退法ですが、勧誘業者に対し逆に自分の個人情報をどこから取得したのか問い合わせをしてみたらいかがでしょうか。個人情報保護法は勧誘業者を直接規制する法律ではありませんが、しつこく聞くと相手も嫌がると思いますよ。
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第3回 消費者契約の実態「振り込め詐欺対処法」
(レントライフ便りvol.8より)
 「オレオレ詐欺」事件については、テレビや新聞等でよく知られていますね。電話を利用して、警察官を装い「あなたの息子が交通事故を起こした」などと称して示談金を振り込むよう指示し、被害者が慌てて振り込むという事件がここ数年多発しています。加害者の息子役、警察官役、弁護士役など数名が登場し、電話の後ろでパトカーのサイレンを鳴らすなど手の込んだ手法を用いるため「劇場形詐欺犯罪」と呼ばれています。最近では「孫が彼女を妊娠させてしまった」「夫が痴漢で逮捕された」など様々な手口を用いるようになっています。
 「振り込め詐欺」とは、この「オレオレ詐欺」事件と架空請求詐欺事件、融資保証金詐欺事件の総称です。
 架空請求詐欺事件とは、郵便などを利用して身に覚えのない有料電話情報等の請求書を送りつけ、現金を預金口座等に振り込ませ騙し取る事件です。最近では、「民事訴訟通達管理局」「民事訴訟管理機構」などもっともらしい名称でハガキを送付するため、身に覚えがないにも関わらず振り込んでしまう例が後を絶ちません。
 融資保証金詐欺事件とは、実際には融資しないにもかかわらず融資する旨の文書を送付するなどして、融資を申し込んできた者に保証金等の名目で現金を振り込ませ騙し取る事件です。これも最近は手口が巧妙になり「三井住友信用信販」とか、「VISAクレジット株式会社」など実在する金融機関や貸金業者と誤認させるような名称やロゴマークを装って、低金利や無審査融資などの宣伝文句を用いています。
 これらの詐欺の対処法としては、「無視する」ということに尽きます。しかし、相手もより巧妙に仕掛けてくる傾向にありますので、もし身に覚えのない請求や融資の勧誘を受けて心配になったときは、必ず振り込む前に専門家に相談することをお勧めします。
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第2回 消費者契約の実態「悪質リフォーム対処法」
(レントライフ便りvol.7より)
 「住宅リフォーム会社サムニングループによる詐欺事件で、警視庁生活経済課は詐欺の疑いで同グループの親会社であったエム・エイチ・エス社長を逮捕」(2月2日毎日新聞)

 最近毎日のように悪質リフォームの記事が新聞に載っていますね。国民生活センターに寄せられる相談でも悪質リフォームに関する苦情がここ2・3年で急増しています。
 悪質リフォームの手口は、業者が住宅の無料点検と称して訪問し点検した結果、「屋根裏の柱が歪んでいる」「地震が来たら家が倒れる」「床下の湿気でシロアリが出て柱が腐る」などと不安を煽り工事契約を結ばせるものです。当然ろくな工事はしません。サムニングループ事件で鑑定にあたった建築士は「住宅にとって毒になるものばかりだった」と言っている位杜撰なものが多いのです。
 悪質リフォームは、執拗な勧誘、虚偽の説明、強引な取引、杜撰な工事等典型的な悪質商法被害であることや高齢者に被害が多いことが特徴です。認知症の高齢者が6年間で47件、総額約1570万円のリフォーム工事を18の業者と契約という事例もあります。悪質リフォーム被害に遭わないためには、

1.訪問販売では、できるだけ契約をしないこと。(特に訪問の目的や業者名を確認し、すぐに玄関の扉を開けないこと)
2.業者選びは手間と時間をかけて十分検討すること。(複数の業者から見積もりを取る等)
3.業者の説明を鵜呑みにしないこと。(契約の前に家族や身近な人に必ず相談すること)などを注意しましょう。

 訪問販売でもし契約してしまった場合、たとえ工事が完了しても、契約書面を受け取ってから8日以内であれば無条件で契約を解除できます。これをクーリングオフといいます。また、この期間を過ぎても法律により契約を取り消せる場合もありますので、こうような被害に遭った時は、是非専門家に相談されることをお勧めします。
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第1回 消費者契約の実態 「消費者被害の構図」
(レントライフ便りvol.5より)
 司法書士を開業して20年余り。私の事務所では、ここ数年消費者被害に関する相談が急増しています。
 一言に消費者被害といっても、消費者破産に代表されるように、いろいろなところからお金を借りて返せなくなってしまう「多重債務整理」に関するもの。悪質リフォームや電話で勧誘して物品販売やサービスを提供するものなど「悪質商法」に関するもの。「振り込め詐欺」に代表される「架空請求」など多岐に及びます。最近ではパソコンのインターネットを媒体とした被害も増えています。これらは、皆さんもよく新聞やニュースでもお聞きになった事があるのではないでしょうか。
 そもそも消費者とはなんでしょうか?消費者とは、業として生産や販売を行う者から生活品として物品を購入する者のことを言います。そして、消費者と事業者(販売やサービスを行う側)との契約によって受ける消費者の損害のことを消費者被害といいます。
 日本社会は、誰でもどんな内容でも自由に契約ができるという、「契約の自由」を原則としています。つまり、当事者が納得しさえすれば、余程のことがない限り一方に不利な契約でも有効となってしまうのです。この原則が、消費者被害を生む根底にあります。
 「契約自由の原則」は、契約する当事者が対等な関係である場合に成り立つようになっています。しかし、実際に契約をする取引現場をみると、圧倒的な知識や情報を持つ事業者に対して、消費者は余りにも無防備であることが多いのです。
 「納得して契約したのではないか。」「借りた者の責任ではないか。」などが事業者からの主張であり、消費者の無知や軽率、経済的窮迫や消費者の意思薄弱といった事柄が、一般的な消費者契約における消費者の債務不履行(お金の支払いや約束等が守れなくなること)の原因とされています。
 しかし、TVなどでよく宣伝している消費者金融業者は、このような消費者に積極的に貸付を繰り返し、悪質業者もこのような消費者をターゲットとして勧誘を続けているのが現状となのです。
 これから数回にかけて、これら消費者被害の実態と対処方法について、この紙面を借りてお伝えしていきたいと考えています。
 「レントライフ便り」をお読みになっている皆様が消費者被害に陥らないようなアドバイスを兼ね、将来の消費者契約のあり方を考えていきたいと思います。
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