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写真 酒井税務経理事務所所長
酒井 庄平先生
大手から中小企業の税理顧問をつとめ、法人税申告、贈与・相続申告をはじめ、生保 ・損保契約分析や資産管理と運用指導を行う。今までに100件以上の相続税申告の経 験を持ち、真心と熱意をモットーに法人役員や資産家からの幅広い相談に対応している。
【やさしい税金講座】
第5回 「失敗しない為の税金知識 相続時清算課税その一」
第4回 「生前贈与(その二)」
第3回 「生前贈与(その一)」
第2回 「相続税対策のはじまり」
第1回 「失敗しない為の税金知識」
 

第5回 失敗しない為の税金知識「相続時清算課税(その一)」
(レントライフ便りvol.10より)
 全ての相続税案件に節税対策を立案することができます。これを知らないで「相続税の節税対策を採らなかった」という失敗が世間には数多くあります。

 相続税対策として最も基本的なものは生前贈与ですが、贈与は1月1日から12月31日までの間に110万円を超えると、贈与税が掛かることとなります。そしてその贈与金額が大きくなればなる程贈与税率も高くなることとなっています。例えば贈与金額が1年間で110万円以下なら無税で、贈与金額が310万円以下なら基礎控除の110万円を控除して税率は10%となり、贈与金額が510万円以下なら110万円控除して税率は20%という具合に段階的に税率が上昇する仕組みとなっています。(右ページ下段参照)従って相続の前に無税もしくは相続税より低い税率の範囲で生前贈与により財産移転を行うことが節税になるということです。単純な例では相続税率が30%となる人が310万円を生前贈与で移転させると1年で73万円の節税となります。相続人が3人の場合では節税効果も3倍となり219万円の節税となります。これを3年行うと657万円の節税となります。これが従来からの「暦年贈与」という贈与税の計算方法であり、今も継続しています。
 そこに平成15年の税制改正で新しく「相続時清算課税制度」が創設されました。これを簡単に解説すれば「暦年贈与」での毎年110万円の無税枠を利用する代わりに2500万円までの贈与への課税を相続発生時まで保留できるという制度です。これは景気対策の一つとして親から子への財産の移転を進め、その運用を促進させようとする狙いで導入されたもので、生前での財産移転が年間110万円から累積2500万円まで大幅に増額されることとなりました。但し、相続時清算という名称が示すように、相続発生時においては相続財産に含めて清算計算することとなりますので単純に減税ということではありません。
話がやや複雑になりますが相続税は相続財産が5000万円+1000万円×法定相続人数までは課税されませんので、清算計算の結果相続税が出ない場合には、生前にこの制度で移転した2500万円の贈与にも課税がないということになります。要するにこの制度は、相続時の控除枠の先取り使用ということができます。
 次回には具体的にどんな場合にこの制度を利用したらよいか、また、この制度を利用する為の要件はどんなものか、について勉強し、自分に役立つかどうかをご検討いただけるようにしたいと思います。


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第4回 失敗しない為の税金知識「生前贈与(その二)」
(レントライフ便りvol.9より)
 全ての相続税案件に節税対策を立案することができます。これを知らないで「相続税の節税対策を採らなかった」という失敗が世間には数多くあります。
 前回において、名義預金や名義株式について書きましたが、これらは贈与契約が成立していないと認定されるので贈与税についての税務上の時効も成立しないことになります。従って何年も前に名義変更されたものであっても、名義借用の状態に変わりないというこで、相続財産として相続税の対象とされてしまいます。相続税の税務調査において名義借用と認定されてしまうケースとしては、通帳の記名や印鑑が名義人のものでない、保管場所が名義人のところでない、名義人が使用した形跡がないなど受贈者が確かに自己の財産として管理や使用していなかったと推定される状況が認められる場合です。
 同じように贈与契約が成立しているか否かで問題が起きる例として幼少の孫への贈与があります。祖父の贈与についての意思表示に対し、これを承諾する意思表明の困難が推定され、契約不成立であると認定されることが考えられます。このような状況においては孫の親権者である父母が孫の財産管理権者として代理権を行使した贈与契約書を作成しておくことで、幼少の孫に対する贈与契約を法的に有効に成立させることができます。
 また生前贈与すると有利な財産としては、将来値上がりが予想される財産や、収益を生み出す財産などで将来評価が上がる前の移転がお勧めとなります。
 賃貸不動産は一般的には相当高額となるので生前贈与に向かないと思われがちですが、古い木造建築などは固定資産評価も小さい場合もありますし、平成十五年の税制改正による相続時清算課税制度を利用すれば二千五百万円の評価額の不動産もとりあえずは無税で移転可能となりました。移転後の値上がりや移転財産が生み出した利益は当然に財産の新しい所有者(受贈者)に帰属することとなります。相続時清算課税制度についてはまた改めて確認しますので今回は詳しく書きませんが、必ず有利ではなくこれを利用するとかえって損となる場合も少なくありませんので慎重な判断が必要となります。

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第3回 失敗しない為の税金知識「生前贈与(その一)」
(レントライフ便りvol.8より)
 全ての相続税案件に節税対策を立案することができます。これを知らないで「相続税の節税対策を採らなかった」という失敗が世間には数多くあります。
 前回において相続税の対策は、自分の財産と相続人において相続税を試算してみることから始まり、相続財産の内容は千差万別なので対策は個々に異なるということを書きました。このことはとても大切なことですので今後の個別対策もこのことが前提となるということを忘れないでいただきたいと思います。全体像を把握してから、計画をつくり実行して結果について評価するという流れが大切であるということです。
 今回は皆さんおなじみの「生前贈与」という相続税対策について確認してみます。「贈与」とは自己の財産を相手に無償で与える意思表示をして、相手方がこれを受諾することで成立する「 契約」です。死亡により相続という形で財産の移転が起こる前(生前)に贈与で移転させると相続税ではなくて贈与税が掛かることとなります。この贈与税と将来に予定されている相続税を比較してみて「生前贈与」をした方が税金が少なくて済む場合があります。贈与税は一月一日から十二月三十一日までの一年間で百十万円を超える財産を貰った場合に掛かる税金なので百十万円までは無税で財産移転が可能となります。百十万円も奥様と子供夫婦と孫2人なら合計5人となり一年で五百五十万円、五年で二千七百五十万円の財産が無税で移転できる計算となります。また相続税の試算で20%の税率となる人であれば、一人について三百十万円贈与した場合の贈与税は二十万円に止まります、5人なら一年間で千五百五十万円の財産を百万円の税金(6・5%)の税率で移転できることとなり相続税より贈与税の方が二百十万円も少ないという計算になります。 ただし、実際にはそんなに単純でないので専門家の指導や確認を受けることが重要です。
 相続時より遡って三年の間に行われた相続人への贈与財産は、相続財産として戻し計算されますので、相続までの年数が重要となります。
 また、子供や孫の名前で預金したり株券を預けたりして「生前贈与」したつもりでいるという誤りも実際には多くあります。これは税務調査においては子供や孫の名義を借りただけで贈与契約は成立していないという認定を受けることとなります。奥様名義の定期預金がご主人の財産という認定を受けることも少なくありません。確実な「生前贈与」となるように法的形式と実態を整える必要があります。
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第2回 失敗しない為の税金知識「相続税対策のはじまり」
(レントライフ便りvol.7より)
 全ての相続税案件に節税対策を立案することができます。これを知らないで「相続税の節税対策を採らなかった」という失敗が世間には多くあります。
 財産の「安全で効率的な活用」を検討する場合、相続税対策という視点があり、@妻への住宅を無税で相続するA更地にマンションを建築するB不動産管理会社を作るなど様々な対策があります。しかし対策を考える前に重要な項目を忘れていませんか?
 それは自分に万一のことがあった場合の相続税を計算してみることです。全てはここから始まります。計算された相続税を確認してからどのように節税して、納税後に多くを引き継がせるかの対策が始まります。相続税は全員に掛かるものではありません。お金に換算できる全ての財産合計から「5千万円+1千万円×相続人の数」相続人3人の場合では8千万円を控除した残額に相続税が課税されますので、これがマイナスとなれば相続税は掛からないこととなります。
 私の事務所に相続税を心配されて相談にみえる方の3割ぐらいは相続税対策の必要がない方です。なかには本当は相続税の納税が不要であったのに、相続対策としての「妻への居住用財産の贈与」を行い、妻が本来は納める必要のなかった不動産取得税や登録免許税を支払った。などという失敗を聞いたりすることもあります。
 また、相続対策はどのように財産を守り、より優良な財産を相続させることが大切であり、単純に相続税を少なくすることだけが目的ではありません。相続税を減らす為に相続財産を減らしてしまうなどということは本末転倒です。
 相続財産の内容は千差万別で1つとして同じものはないので相続税対策は全てオーダーメイドとなります。財産構成を分析して入れ替えをする外科手術のようなもので、熟練した専門家でも危険な作業を伴うものですので、決して自分の判断だけでは行わないことが必要です。しかしながら自らが必要性を感じて自分の相続税を計算してみようと思わない限り、相続税対策が始まらないことは確かなのです。
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第1回 「失敗しない為の税金知識」
(レントライフ便りvol.6より)
 はじめまして、税理士・公認会計士・ファイナンシャルプランナーの酒井庄平です。新しくできたこのコーナーで不動産オーナー向けのお役立ち情報を提供させていただきます。
 今回初登場ですので私の日頃の実務からの感想を記載させていただきます。
 統計的には個人財産のおよそ6割が土地であるとされています。従いましてこの土地をいかにするかという問題が個人財産についての中心課題となります。
 土地取得、保有、売却、そして相続など全ての場面においてより良い方策を考えなければなりません。従って土地持ちの方は色々な悩みを抱えることとなります。様々な場面で最良の選択を迫られます。黙っていても周りから様々な提案が持ち込まれます。
 私は仕事柄、毎年の確定申告や相続税のお手伝いをさせていただいておりますと本当に土地財産を守って行くことは大変なご苦労で、土地を有効活用して優良な土地財産を相続で手放したりしない様に子孫に引き継ぐということは大きな課題とご負担になっていると思っています。しかしこれらは簡単な課題ではありません。取引や契約関係は複雑で、取引金額は大きくなり有利不利や税金負担にも重大な差が発生します。従いまして自分だけでなく不動産屋さんや建築会社さんや様々なコンサルタントの協力を求めることとなる訳ですが、最近話題の構造計算問題なんかも起きたりします。
 本当に信頼できるかどうかはどうやって見極めたら良いのでしょうか。どうも専門家という肩書きだけでは十分ではないようです。
 「専門家としての独立した責任感を貫いている人か」という判定は容易ではありません。
 私は「その人がどの様な立場で、誰の為に仕事をしているのか」を考えてみることが必要で有効と思います。また、自分の知識を増やし自分で判断できることも重要です。
 このコーナーでは税金対策での基本的な項目について、不動産オーナーの立場で「独立した専門家」が原稿を提出して参りますので、ご愛読をお願い申し上げます。
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